定期検査(第19条)
定期検査とは、計量法では特定計量器については型式の承認制度をとりいれ、検定の合理化と精度の向上に努めているが、取引または証明における法定計量単位による計量に使用されている特定計量器のうち、一般消費者の利益を守るため特に必要と思われる施行令第10条(定期検査の対象となる特定計量器)で定める特定計量器について、その精度の維持を図り、適正な計量の実施を確保するため、施行令11条(定期検査の実施時期)で定める期間ごとに行う検査制度である。
@定期検査対象特定計量器と受検義務
特定計量器(取引または証明における法定計量単位による計量に使用できない計量器及び特定計量器であって、検定証印の有効期間が定められているものを除く)のうち、その構造、使用条件、使用状況等からみて、その性能および器差に係る検査を定期的に行うことが適当と認められるものであって、施行令第10条第1項で定めるものを取引または証明における法定計量単位による計量に使用するものは、その特定計量器について、その事業所(事業所がない者にあっては、住所)の所在地を管轄する都道府県知事または特定市町村の長が行う検査を政令(施行令第11条)で定める期間ごとに受けなければならない。
ただし、つぎに掲げる特定計量器については、この規定は適用しない。
1 計量証明事業者が計量証明(特定計量器を使用して法定の物象の状態の量について法定計量単位により、取引および証明上における計量値について証明することをいう)に使用する特定計量器
2 適正計量管理事業所の指定を受けた者が、その指定に係る事業所において使用する特定計量器
3 定期検査済証印、検定証印等または計量証明検査済証印であって、定期検査の実施期日(第21条第2項の規定により、定期検査の実施主体が公示した定期検査の期日をいう)において、これに表示された年月(検定証印等に表示された年月にあっては、定期検査または計量証明検査の規定により表示されたものに限る)の翌月1日から起算して特定計量器ごとに政令で定められた期間を経過してないものが付されている前記1および2に該当するものを除いた特定計量器
この規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処せられるとともに、両罰規定の適用もある(第173条第1号、第177条)
なお、3における政令は、施行令第10条第2項であるが、以下施行令第10条、第11条を記載することとする。
施行令第10条
(定期検査の対象となる特定計量器)
@定期検査対象特定計量器(第1項)
法第19条(定期検査)第1項の政令で定める特定計量器は、次のとおりとする。
1 非自動はかり(第5条第1号又は第2号に掲げるものを除く。以下同じ。)、分銅及びおもり。
2 皮革面積計
A定期検査を受けることを要しない期間(第2項)
法第19条第1項第3号の政令で定める期間は、非自動はかり、分銅及びおもりにあっては1年とし、皮革面積計にあっては、6月とする
施行令第11条
(定期検査の実施時期)
法第21条(定期検査の実施の時期等)第1項の政令で定める期間は、非自動はかり、分銅及びおもりにあっては2年とし、皮革面積計にあっては1年とする。
注記
この法律において「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。
計量法第2条第2項より
取 引
計量法第2条2項の「取引」の定義のうち「有償であると無償であるとを問わず」とは、金銭の授受や報酬のあるなしに関わらないということである。
「物の給付を目的とする業務上の行為」とは、売買、賃貸借の他に消費貸借(借主が貸主からある物を受け取り、これと同種・同等・同量の物を返還する契約)などであり、これも取引とみなされる。
「役務の給付を目的とする業務上の行為」とは、運送、保管、雇用、請負、委託加工などの役務の提供であり、これも取引となる。
また「業務上の行為」とは、事業、商売などを継続的、反復的に行うことである。1回限りの行為は業務上の行為にはあてはまらない。
取引における計量
取引における計量とは、契約の両当事者がその面前で、ある計量器を用いて一定の物象の状態の量の計量を行い、その計量の結果が契約の要件となる計量をいう。
工程管理における計量等、内部的な行為にとどまり、計量の結果が外部に表明されない計量や、契約の要件にならない計量は含まれない
計量した物に計量の結果を表示する場合については、その物が取引の対象となり、表示した計量の結果が契約の要件となるときは、その表示をするための計量は、取引における計量に該当する。
計量法では、「特定物象量が表記された特定商品」を製造する工程における特定物象量の表記のための計量も、取引における計量に該当する(このことは、俗にスーパー等においてバックヤードといわれている所で、商品の容器詰めを行い、計量してその結果の表示(ラベリング)を行うことも、取引における計量になるということである)。
証 明
計量法第2条2項の「証明」とは公に又は業務上、他人に一定の事実が真実である旨を表明することとされている。
ここで「公に」とは、公機関が又は公機関に対してということである。
「業務上」とは、取引の場合と同様継続的、反復的に行われることである。
「一定の事実」とは、一定のものが一定の物象の状態の量を有するという事実であり、特定の数値までを必ず含むことまでは求められていない。ある一定の水準に達したか、達していないかという事実も含まれることとされている。
「事実である旨を表明すること」とは、事実であることについて一定の法的責任等を伴って表明することであって、参考値を示すなど単なる事実の表明は該当しないと解されている。
「計量上の証明」といった場合、これは略して計量証明といわれる(法19条第1項第1号)ことで、数値を表明することが伴うものである。したがって、計量法8条1項の「非法定計量単位は取引又は証明に用いてはならない」、あるいは計量法16条、18条及び19条第1項の「取引又は証明における法定計量単位による計量」の場合の「証明」とは異なるものである。
また、およその目安を示すものは計量証明に含まれないこととされている。
証明とみなされる計量
車両や船舶の運航に関して、あるいは火薬、ガス、その他の危険物の取扱いに関してなど、人命又は財産に対する危険を防止するための計量(法2条3項)のうち、特に計量法施行令1条に定められた@鉄道車両の運行に関する圧力の計量、及びA高圧ガスの製造に関する温度又は圧力の計量について、さらに同法施行規則2条による@の場合の圧力計による圧力の計量、Aの場合の比較のための温度計による温度の計量、同じく比較のための圧力計による圧力の計量は、証明とみなされる計量として扱われる。関係者間では「みなし証明」といわれている。